募集要項(研究援助)

山田科学振興財団の研究援助について

本財団は自然科学の基礎的研究、特に 1) 萌芽的・独創的研究、2) 新規研究グループで実施される研究、3) 学際性、国際性の観点からみて優れた研究、に対して研究費の支援を行っております。実用志向研究は支援の対象としません。評価が定着して研究資金が得やすいものより、萌芽的で将来の発展が期待される基礎研究を重視します。また、多様な視点や発想を取り入れた研究活動を実践し、創造力を発揮する研究者を積極的に支援するため、本財団は、女性の活躍はもちろんのこと、一人一人の多様性を尊重します。

2025年度 研究援助(学会・個人推薦枠 / 女性活躍支援枠 / チャレンジ支援枠)<募集中>    

当財団の研究援助は、昨年度より、「従来枠(学会・個人推薦枠)」に加え、新たに「女性活躍支援枠」および「チャレンジ支援枠」の2つを新設し、3つの支援枠での応募となりました。応募は、それぞれのページからお願いいたします。※募集期間は同じです。重複応募はご遠慮ください。 
<公募ポスターはこちら>

理事長からのメッセージ

「女性活躍支援枠」と「チャレンジ支援枠」について

 本財団は、基礎研究者による基礎研究者のための財団であり、基礎研究に特化した研究支援事業を実施しております。知的好奇心を唯一の推進力とする基礎研究は短期間で完成することはまれで、研究者の生涯にわたる地道な研究活動を必要とします。
 しかし、近年公募される競争的研究費は課題解決型の応用研究を対象とするものが増える一方です。また、国立大学法人は文科省運営費交付金の大幅な削減を受け、私立大学は少子化のために経営が困難になってきており、特に中小規模大学ではその存在基盤がゆらいでいる状況です。そのため、基礎研究者が研究に費やす時間は減少の一途をたどっています。 さらに、ライフイベントに配慮した研究費は増えつつあるものの、その多くは出産・育児に関わるものであって、長い時間を要する子育てや親の介護など、研究者が真に必要な支援に応える制度は見当たらない状況です。
 そこで、本財団は研究支援事業の中に、従来実施してきた研究援助一般枠(学会・個人推薦枠)とは独立して、女性活躍支援枠とチャレンジ支援枠を昨年度、新たに設けました。女性活躍支援枠は、優れた研究を展開する実力をもちながら、さまざまなライフイベントのために一時的に十分な研究遂行が困難な女性研究者に対して、将来につながる研究支援を行うものです。これらの困難は、出産・育児・子育て・介護などが想定され、男女を問わず負担すべきものでありますが、今回は女性に限って支援することとしました。将来的には性別の区別なく支援できるよう検討いたします。一方、チャレンジ支援枠は、所属する組織において研究以外の用務が増し、一時的に研究に費やすエフォートが減少しているが、研究を継続・発展させたいという強い意欲をもつ研究者を対象とします。さいわい、両支援枠とも多数の応募をいただき、あらためて基礎研究に携わる研究者を取り巻く困難な状況を認識いたしました。
 今年度も全国の熱意あふれる基礎研究者の応募をお待ちしております。

 なお、本援助は、事業の趣旨をご理解いただき、本財団に多額のご寄付をいただきましたロート製薬株式会社様のご支援によりはじめて可能となったものです。この度のご寄附に心から感謝と御礼を申し上げます。

公益財団法人山田科学振興財団 理事長 石川冬木